調査

JAPAN IT WEEK (2019/5/9)

東京ビッグサイト

同じふじのくに県民クラブの田口県議に同行し、東京ビッグサイトで行われたJAPAN IT WEEK(IT製品展示会)を視察し最新のITソリューションの調査してきました。

以下、公開されている(らしい)レポートをWebページ用に編集したものです。

 


【議事録作成サービス(音声認識)について:株式会社A社】

A社が開発した会議等において自動で発言内容を取得し文書化するシステムについて説明を受けた。

本システムは発言者の発言が、それぞれ異なったIDが付与されたスマートフォンアプリを通じてクラウド上の音声認識エンジンにて処理され、議事録化される。一般的な会議においては発言の94%が正しく認識され、議事録化されるとのこと。使用例では大阪市議会,東京都議会,北海道議会などがあげられた。

各種会議等において議事録を作成することに対しては大きな工数を要している。議事録作成が自動化されれば、この工数の削減に大きく寄与する。

ただし、会議によっては専門用語が頻出するためこの単語を正しく認識できない可能性があり、また認識率が90%強であるため議事録作成後の修正作業も必要である。まだまだ過渡期の技術であり、経過を見守っていく。

 

【沖縄県の情報通信関連企業の誘致に関して:沖縄県 商工労働部 情報産業振興課】

沖縄県においては急速に情報通信産業の集積が進んでいる。これは沖縄に国際海底光ケーブルが引かれたことによって、沖縄の立地が情報通信産業にとって都合が良くなったためである。以下に理由を示す。

  • 経済特区化
  • 本州よりもアジアの主要都市へのアクセスが良好
  • 災害リスクの分散
  • リゾートロケーション

以上により、沖縄県では情報通信産業における3万人弱の雇用を創出した。

沖縄県においては自身の地理的特徴を武器に情報通信関連企業の誘致に成功した。

ある特定の産業の関連企業を誘致するためには、静岡県の特性を十二分に生かした、他の地域には真似できないインフラ整備を行っていかなければならないと感じた。

 

【RPA (Robotic Process Automation) ツールについて:株式会社S社】

Excel のマクロ機能と同様に、操作手順を自動化することによって、多量の定型的な作業を効率化することができる。Excel のマクロ機能は Excel アプリケーション内でしか利用できないが、RPAツールではインターネットブラウザや業務アプリケーションなどを跨った広範な定型作業に対応することができる。

しかし、例えば業務で使用しているあるWebページにおいてそのレイアウトが変更された際には操作手順を修正する必要があるなど、完全自動化に向けた課題は多い。

現在、県庁業務でもRPAツールを導入している部分があると聞いている。上述したとおりRPAツールにはまだ課題が存在しているが、現状においてもRPAツールを活用することで業務量を削減することが可能であると考える。活用できる業務の洗い出しを進めていく価値はあると思われる。

 

【自社AIエンジンを活用した乗合いオンデマンド交通:株式会社T社】

T社はJ社とともに乗合いオンデマンド交通に取り組んでいる。オンデマンド交通は予約があった際にのみ運行する公共交通である。

この取り組みは、公共交通(車両)を予約した利用者の乗降場に応じてAIでその車両の効率的な経路を設定し、その経路上の他の利用者と乗り合わせでその車両を運行させるというものである。この経路設定で参照されるデータは気象情報とJ社が所有している交通情報等の外部環境データである。

近年、公共交通網の縮小や運転免許の自主返納に伴う交通弱者(移動制約者)の増加が問題となっている。

この問題の解決の一つの方向性としてAI等のICTの活用があげられる。例の一つとして自動運転車があげられるが、イレギュラーな事象(設計の想定外)への対応が不十分である。

この取り組みは、運転は人間ではあるが経路設定といったマネージメント部分はシステムに一任でき、運転手の負担を軽減できる。今後いかに運転手の負担を軽減させていくことができるか、この交通の課題だけではなく働き方改革等にも関連していくため、本県としても注力していかなければならない部分である。

 

【主婦層へのIT業務委託:株式会社M】

ITスキルを持った、育児や家事に多忙な主婦層に対して業務を提供している。この主婦層は子連れ在宅ワーク・時短勤務の勤務スタイルである。

IT関連業務であれば、インターネットさえつながっていれば可能な業務も多い。M社ではライティングやプロモーション、Web製作等を登録者に委託し、またITスキル向上の教育の場も提供している。

女性が家庭の事情で職場から離れることは珍しいことではないが、その後の仕事への復帰はスキルの遅れもあり困難である。

出産、そして男女問わず育児は人生において大きなウェイトを占めており、社会はそれを前提としたものでなければならない。

働き方改革を行う上で、高速インターネット網を利用したテレワーク等ICTを活用した勤務形態を普及させていかなければならない。

 

【地図情報とその他統計情報を組み合わせたデータ分析:株式会社Z】

住宅地図で知名度のあるZ社は、自社の保有する地図情報と他社もしくは行政の保有するデータと組み合わせたデータ分析ツールを提供している。このツールは、国勢調査、またN社から提供された「許諾を得た携帯電話の位置情報」などの統計指標を基に、指定したエリアの状況を分析して視覚的に理解しやすく地図上で色分けもしくはグラフ化するものである。

施策を検討する際には現状を把握できるデータを基にしなければならない。これからは行政・議員にも様々な種類のデータを多角的に分析・予測(データマイニング)する能力が必要不可欠となる。


 

昼食をとったレストランにあった謎のケーキ