所属している建設委員会にて質疑を行いました。
以下、質疑の概要です。(Qが良知、Aが当局)
(議事録:http://www2.pref.shizuoka.jp/all/comgiji.nsf)
- 9月補正予算案の追加提案に関して
Q1.
追加提案分1億4800万円のうち1200万円が沼津駅鉄道高架事業における新貨物ターミナル整備予定地の用地取得に係る裁決申請に伴う調査、審理に対するものだが、1200万円もかかるものなのか。
経費の内訳、見込みを具体的に説明してほしい。
A1.
見込んでいるのは、裁決申請がなされた場合に、収用委員会として必要となる調査の実施や審理の開催等のための経費について補正を行うものである。
具体的には、補償額の算定に必要な対象となる計25筆、面積して5,334平方メートルの土地の不動産鑑定に係る経費が約700万円。
審理を開催するための会場の使用料や設営に係る経費が約340万円。
その他事務的経費となる。
Q2.
今後の工程の詳細な内容は?
A2.
裁決申請及び明け渡し裁決の申し立ては去る9月18日にされ、収用委員会は申請書及びその添付書類の形式審査を行い翌19日に受理し、土地所有者など権利者に対し申請があった旨の通知を行った。
今後、対象となる土地の所在する沼津市において公告及び申請書等の縦覧を行う。
なお縦覧期間の2週間の間に権利者は収用委員会に対し意見書を提出できるとされている。
縦覧期間の終了後は、土地収用法に基づき遅滞なく裁決手続の開始決定を行い、法務局に対して権利関係を固定するために登記の嘱託を行う。
その後、起業者と権利者の双方から意見を聴取する審理の手続を公開により開催し、この審理における陳述あるいは現地調査の結果等を踏まえ、収用する土地の区域、損失補償の対象者、損失補償額や明け渡し期限などについて裁決を行う。 - 地域に必要な生活交通の確保について
Q1.
交通網形成計画の策定によりどのような効果をもたらすのか?
A1.
計画は地域全体を見回して、市街地、住宅地、過疎地など地域特性に応じた交通ネットワークを再構築するものであり、地域公共交通活性化再生法に基づいて市町の関係者、県、バス、タクシーなどの交通事業者、利用者代表や公安委員会、学識経験者などで構成する協議会において策定することとされている。
計画を策定することによって、市町、交通事業者を初め関係機関が目標とする交通ネットワーク像を共有し、その実現に向けて関係機関がそれぞれの役割に応じて取り組みを進めることにより、地域の状況に応じてバス路線の維持確保、市町の自主運行バスやデマンド交通の運行、交通空白地域でのNPO等による自家用有償旅客運送の活用など交通の利便性向上等を一体的に進めることが可能となるといった効果がもたらされる。
Q2.
計画の策定を進めるための今後の取り組みについては?
A2.
計画を策定していない市町に対して県は計画策定までの工程や先進的な計画策定事例を紹介したり、策定過程における議論に加わるなどして計画策定を支援し、将来にわたって地域の移動手段が確保されるよう取り組みたいと思う。
Q3.
目標とする交通ネットワーク像に関して、具体的にどういった交通網になるのか?
A3.
地域全体を見回した計画ということで、市街地など住民がたくさんいるところでは路線バスを活用して維持していく。
それから比較的住民が少ない公共交通としては成り立ちそうもないところではデマンド運行をしたりとか、運行はNPOに任せるとか。
地域全体を見回して地域ごとのふさわしい公共交通網を描いて、それを目標にしていくイメージ。
Q4.
地域公共交通網形成計画の策定区域数の現状値が14地区になっているが、地区の名前は?
A4.
基本的にこの計画は市町村ごとあるいは広域でつくることになっており、現在策定しているところが御殿場市、下田市、南伊豆・西伊豆地域、伊豆市、小山町、焼津市、掛川市、藤枝市、東伊豆・中伊豆地域、湖西市、三島市、裾野市、牧之原市、静岡市である。 - 公共交通への自動運転の導入について
Q1.
今年度行われる実証実験について、詳細な内容そして特に注目している点は?
A1.
今年度は、11月以降に小笠山総合運動公園において昨年度に引き続いた技術開発促進につながる実証実験を行うとともに、沼津市、下田市、松崎町において過疎地域や市街地など道路環境が異なる場所で公道での実験を行う予定。
この実験の詳細は、まず松崎町においては超小型のEV車両を用いて、約2.7キロメートルの狭隘な道路を使ってすれ違いの走行安全性などの検証を行っていく。
また集落と町なかを結んで、通院や買い物などでの利用など過疎地域における移動サービスの導入可能性を探っていきたいと思う。
下田市においては、タクシー型の車両として電動ゴルフカートを使用し、伊豆急下田駅と病院、伊豆急下田駅と道の駅を結ぶ2系統を走行して、通院での利用と観光での利用を兼ねた新たな公共交通としての可能性を検証していく。
ここでは信号の情報を自動運転車両に送って、青信号があと何秒続くかといったことを事前に情報収集し、スピードを緩めていくような技術検証も実施する予定である。
沼津市においては、沼津港と沼津駅を結ぶ2.2キロメートルの区間においてバス型の電動自動車を使用し、交通量の多い都市部での走行の安全性、観光客の利便性向上等を検証していく。
沼津市での実験で注目しているものが、自動運転車両が通行する際に、GPSを使って車両の位置情報を信号機に送って信号機を青に変換したり青の時間を長くするなど、自動運転車両を優先させる信号制御を行う。
Q2.
実験を行う時間帯は?
A2.
基本的には一般の方を乗せて運行する時間帯は昼間の明るい時間帯を予定している。
事前に夜の時間帯なども使って試験的な走行を行うことを考えている。
また、季節であるが、実際に運行する地区を決めて、地元との調整あるいは警察との調整に時間を要したので、今回は実験が秋から冬の時期になってしまったのが現状である。
時期については来年度以降暑い時期も含めて実験を行うことも考えていきたいと思っている。 - 3次元点群データについて
Q1.
今後のデータの活用方法について。
A1.
発展途上の分野でありこれまでの取り組みを実施している産学官の連携に加えて、今後も他業種の民間企業の参画を推進し、国土交通省や国土地理院の協力を得ながら積極的に取り組みの拡大を図っていく。
Q2.
公開しているウェブページ上で使い方・マニュアルを整備すべきでは?
A2.
現在オープンデータ化しているものについては、データ提供がなるべくしやすいように200メガバイトぐらいに分割したファイルをダウンロードする形にしているほか、静岡県GISの機能を使い、そちらからアクセスできるよう工夫している。
また、マニュアルや画面展開等について今後工夫していきたいと思っている。 - ICT利活用について
Q1.
3次元点群データ以外のICT活用の事例と今後の取り組み等について
A1.
県では、積算システムを初め電子入札システム、地理情報システムなど従来からICTを最大限に活用した最新技術に取り組み、システム構築した業務で活用してきた。
本年度においては、受発注者間で書類や図面をインターネット上で共有することができる情報共有システムを構築し、時間の削減や書類保管の効率化を図っている。
また受注者側がインターネット経由で公開設計書を入手でき、今まで行われてきた開示請求の業務の軽減を図る設計書情報提供サービス等のシステムを運用し始めている。 今後も業務プロセスを分析し、ICTを最大限に活用して業務改善に努めていく。 - 東名高速道路のスマートインターチェンジについて
Q1.
足柄、舘山寺のスマートインターチェンジ周辺の状況は?
A1.
開通後半年のためまだ速報値となるが、利用台数を見てみると本年5月の1日当たりの平均利用台数は足柄で計画交通量2,500台に対して2,470台、舘山寺では計画交通量1,900台に対し2,171台となっている。
通常は開通後から徐々に増加し、ある程度のところで計画交通量に達するところを、開通直後にもかかわらず足柄ではほぼ同等の数、舘山寺では計画交通量を約1割上回っている状況にある。
台数と過去の既存のスマートインターチェンジの効果から判断すると、かなり大きな効果が今後あるものと考えている。
Q2.
周辺環境の発展は計算して設置しているのか?
A2.
インターチェンジの間隔、トンネルではなくて平面のところに設置するなどといったこともある。
地元の市町ではスマートインターチェンジを設置することによってどのような効果が上げられるのか、例えば工場立地、物流の効率化、そういった視点も持って位置を選定していると思われる。 - 無電柱化について
Q1.
電線の埋設に不向きと言われている液状化が想定される地域での無電柱化について。
A1.
東日本大震災で被災したエリアでは、実は架空線に比べて無電柱化のほうが被害が少なく、災害に強いことが確認されている。
液状化エリアでの通信線の被災率については、架空線の0.9%に比べて地中線は0.1%と約9分の1になっている。
ただ一方で0.1%の被害は出ている。
液状化を受けやすい場所においては、掘削後の埋め戻しを砕石などの非液状化部材にするなどの対策で一定の効果があるとの研究もあるので、整備する場合については設計の段階から考慮していきたいと考えている。
Q2.
無電柱化した際の風水害に対する耐久性は?
A2.
確かに電線類地中化では、例えば津波などで地上機器が浸水した場合、中にある変圧器が故障して電力の供給ができなくなるリスクがある。
電柱が倒れない前提になるが、浸水に対しては電柱のように上空に変圧器があるほうが有利となる。
一方で、台風などの暴風雨に対しては電柱よりも地上機器のほうが倒壊リスクが少なくて有利な状況になる。
このように電力供給の面で見ればメリット、デメリットがあるものの、東日本大震災のような津波による大震災では地中化のほうが被害が少ないデータとなっている。
さらに、震災後の速やかな救急、救援活動の観点をとってみれば、無電柱化することで道路閉塞のリスクは少なくなることから、無電柱化のメリットのほうが大きいと考えている。 - 土砂災害におけるソフト対策について
Q1.
住民の避難行動につなげるための県のこれまでの取り組みと今後の進め方は?
A1.
これまで県では、市町の避難勧告等の発令や住民の自主避難の参考になるように静岡気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表している。
これはテレビのテロップ等で市町名、静岡市、浜松市は北部、南部に細分化されており、こういったものを発表しているが、これでは少し情報として不足している。
したがって、県独自で危険な地区をもう少しわかりやすくした補足情報をコンピューターで確認することを想定して、県のホームページで提供している。
今後は住民の避難行動を一層高めるために、今まで地図上で1キロメートル四方メッシュの着色で危険な場所を表示したものに加え、恐らく避難の単位となるであろう学区の単位を表示するなど市町や住民にわかりやすい表示に切りかえを追加していくとともに、スマートフォンでも確認していただける改善を検討しているところである。
また、これまで市町に対して作成例や土砂災害警戒区域の指定の地図データを提供して、市町でハザードマップをつくっていた。
今後は地区や避難の要配慮者等地域の状況を踏まえて、地元の防災リーダーとか、住民みずからがハザードマップを作成して、なおかつ避難訓練を実行する取り組みを支援していきたいと考えている。
県としては、住民が避難行動を我が事と思って取り組み早期避難につながるように、市町と連携して取り組みを進めていきたいと考えている。 - 新技術交流イベントin Shizuoka 2019について
Q1.
イベントの目的は?
A1.
異業種交流を円滑に進める仕組みをつくることで、技術開発を活性化する好循環を生む契機になるのではないかと新たに新技術交流イベントを開催している。
Q2.
見込まれる効果は?
A2.
5分野21の現場ニーズに対して62の企業、大学が78技術を出展し、情報交換や保有技術のプレゼンテーションを実施し、異業種間の交流や産学官での相互の有意義な情報交換を行い、すぐれた新技術、新工法の導入が円滑に推進され、建設現場における生産性の向上に寄与するものと考えている。