先日の CEATEC 2019 の視察に引き続き、東京大学生産技術研究所の大口 敬 教授に交通管制の動向のご説明を受けました。
以下、レポートです。
【聴取内容】
- 中央主導による官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) や戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) において、自動運転や信号情報等の活用の投資を推進
- 5Gアンテナを信号機に
- 21万機(箇所?)のうち7万機が中央で管制
- 現在、信号機から150m手前にセンサーが設置
- 自動車が止まっている時間が長いほど渋滞しているだろうという推測
- 青→次の青の時間(サイクル、180secが上限?)
- サイクルが長いほど自動車が通行できる容量が(理論上)増える
- 隣り合う信号機間の系統を取る(スムーズに通行できるようにする)(オフセット)
- 単独で信号を制御(感応式) 15,000箇所
- 時刻で制御 55,000箇所
- 調整が放置されているものもある
- 現在、信号機から150m手前にセンサーが設置
- 信号機は安全施設となるため交通予算
- 19年以上更新されていないものも多数
- センサーの設置とメンテナンスは警察が嫌がる
- 効率の悪いところは撤廃の動き
- センサーの代替となるもの
- google, Apple のマップ
- メーカー純正のナビ
- 集計データを分析して事故対策
- 今後は信号機に画像センサーを搭載
- 信号機に搭載するため交通予算で設置できる?
- 従来のセンサーはNTTに専用回線を引いてもらっていた
- 使用料が膨大
- 5Gのアンテナを信号機に設置する代わりに無料での通信を要望?
- 1970~80年代の考え方で制御プログラムが組まれている
- 目的関数を最適化すべき
- 歩車分離・右直分離
- 概念としては正しい
- 出し方・切り替え方が難しい
- 歩車分離で渋滞軽減につながるケースもある(札幌)
- 大きい交差点の場合、右・直進・左の専用レーンを作る
- センサーを強化すべき
- コスト(メンテ含め)を下げていく必要
【県政への反映】
これからのスマートシティー構想において、公共交通の自動運転車導入とともに交通管制技術の発展も欠かせないものとなる。
進歩した画像センサー等や、スマートフォンやナビゲーションシステム等の移動体から得られるビッグデータを有効に使い、効率のよい信号制御を実現することが直近の渋滞問題解消の糸口となるだろう。